【学会発表】国試に合格する人は、〇〇ができる?!


大阪教室の辻学志です。

2021年8月21日22日に行われた

第6回日本薬学教育学会(Web開催)に参加しました。

学会の準備をしてくださった先生方、事務局の方に本当に感謝です。

学会では、薬剤師がどうあるべきかについて、多くの先生からお話を聞くことができました。

毎年、参加して、毎年、新しい気づきがあります。

 

実は、毎年、辻学志が日本薬学教育学会にポスター発表しております。

 

発表したのは、第106回国試の合格者の特徴です。

「合格者は何に気づいているのか?

これが分かれば、勉強しやすくなるのでは?」

薬学生全員が患者のことを考え、適切な処方提案や行動をできるような薬剤師になって欲しいので、毎年、学会発表をしております。

 

国家試験は345問。

そんな345問の中に、合格者と不合格者で大きく正答率に差が開いてしまっている問題があるのです。

 

例題です。

 

【例:106回国試問168選択肢3(リード文省略)】

デスモプレシンは、バソプレシンV2受容体を遮断することで、腎集合管における水の再吸収を阻害する。

 

〇???  ×???

 

 

 

答えは、×です。(合格者8.0%、不合格者34.9%)

バソプレシンは、バソプレシンV2受容体を刺激して、水の再吸収を促進します。

 

26.9%も差がありました。合格者のほとんどが×だと気づいている。

 

 

合格者は、何に気づいているのか?

 

合格者は、作用機序だけでなく

デスモプレシンが尿崩症治療薬であることや、バソプレシン(抗利尿ホルモン)と同じであるということに気づいているのです。

 

<考え方フローチャート(例)>

➀デスモプレシンは尿量が増えてしまう尿崩症の治療薬だ。

➁ならば、デスモプレシンは尿量を減らす作用があるはずだ。

➂問題文では、水の再吸収を阻害すると書いているが、

水の再吸収を阻害しちゃったら、尿量が増えてしまうやん!じゃぁ×だ!

 

 

合格者は、この薬理の問題を解く際に、

「デスモプレシンは尿崩症治療薬だから尿量を減らすはず。」と

どの疾患にどう治療してくれるのかを置き換えながら、考えて解いているのです。

 

 

皆さんが第107回国試を解くときには、

専門用語を別の知識に置き換えながら、考えながら解きましょう