薬と健康の週間(実務編)~用法の違い、説明できますか?~
今週は、薬と健康の週間です。本日は、実務編です。
皆さん、こんにちは。
薬ゼミ大阪教室の実務担当の政野です。
薬は服用の仕方によって効果が変わったり、副作用が出やすくなってしまうことを皆さんはご存じでしょうか?
皆さんが服用する薬には、その薬を「いつ飲むのか」という「用法」が設定されています。
薬剤師として患者さんに薬の説明をする時にも大切な薬の用法について、おさらいしておきましょう。
・食後とは
食事の約30分後までを指します。食後に服用することで吸収が良くなるイコサペント酸エチルカプセルや空腹時だと胃を荒らしやすいNSAIDs(エヌセイズ)などは食後服用の代表例です。
・食間とは
よく勘違いされますが、食間とは食事中ではなく、食事と食事の間(食後の約2時間後)です。食後だと吸収が低下するエンテカビルやエルトロンボパグなどが代表例です。
・食前とは
食事の約30分前を指します。吐き気を押さえる制吐剤などが食前服用の代表例です。
以上が代表的な用法とその違いですが、国家試験対策としても是非覚えておいてもらいたいのは、
「食前」と区別される「食直前」という用法です。
・食直前とは
食事の5分~10分前を指します。特に糖尿病治療に用いられる超速効型のインスリン製剤は食事の直前に使用することが大切です。
速効性のある糖尿病治療薬では、投与後(服用後)すぐに食事を摂らないと低血糖症状を引き起こしてしまうことがありますので、服薬指導でも注意が必要です。
用法の違いを理解して正しく薬を使いましょう!